「スケアクロウ/ジョン・クーガー・メレンキャンプ」 85年 評価3.5


 82年の「アメリカン・フール」からの「ジャック&ダイアン」「青春の傷跡」のシングルヒットにより一線に躍り出たまさにシンプルなアメリカン・ロックの代表格ジョン・メレンキャンプ。ジョン・クーガーという自身の承諾を得ない芸名で売り出され、前述のヒットにより本名を追加できることになった後の2作目にあたる。

 まさに好き嫌いの分かれる人で、どのアルバムでもその時代のヒット性などに媚を売ることなくシンプルなロックをとことん追求しており、当然全編同じような曲調である。なので、私自身特別好きというわけではないが、本作からはシングル・ヒットも多く、特に「スモール・タウン」という名曲もあるため消去されずに残っている。

 結局彼の音楽はあまりにアメリカン・ロックすぎて、アメリカ人にしか感じられない侘び寂びのようなものや民族的な音楽性というものが宿っており、日本人の私には感じられない部分もあるのだろうな。